「延滞」や「異動」で住宅ローンが心配!審査が通る『かもしれない』テクニック

こんにちは。マンションの購入を考えている方で、住宅ローンについて不安を抱えている方も多いかと思います。

この記事では、元マンション営業マンの私が現場での経験から、次のような疑問にお答えします。

こんな疑問をお持ちの方へ

・住宅ローンの申込みを検討してるけど、過去に延滞した記憶が…これって大丈夫?

・個人信用情報に「異動」がある(かも)!もう住宅ローンは諦めないといけない?

延滞したかも…個人信用情報の開示について

個人信用情報を取り扱う機関には、次の3つがあります。

(1)CIC

(2)JICC

(3)全国銀行個人信用情報センター

過去に延滞などをして個人信用情報が心配な方は、審査を出す金融機関によって参照する機関が違うので、あらかじめ調べたり、マンションの営業マンを通して確認したりした上で、自分で情報開示手続きをしてチェックしておく方がベターです。

そして住宅ローンの審査を出す際にマンションの営業マンを通して事前に銀行側へ申告できるようにしておきましょう。その方が少しでも印象は良くなります。

とりあえず信用情報を確認したいという場合は、ひとまずCICで良いと思います。

個人信用情報に「異動」があった場合は住宅ローンは無理?

結論からいうと、「基本的には厳しいけど、必ずしも無理とは限らない」です。

私の経験ですが、銀行によって「異動」があっても住宅ローンが通ったことがあります。

どのようにしてローン承認を勝ち取ったかというと、まず、銀行担当者に懇切丁寧に「異動」が付いてしまった経緯を説明しました。そして、それが解消されている(延滞していたお金は払込済である)こと、今どのような仕事をしていて、収入がどれくらいあるのか、預金がどの程度あるのか、資産背景を全て細かく説明したのです。

そしてこれを銀行担当者から銀行の上の立場の人(この人がローンの承認/否決のキーパーソン)に説明してもらい、稟議を通してもらったのです。

この「説明」がとっても重要です。業界では、「作文」と言ったりするするのですが、要は、

『このお客様は本当に素晴らしい人なんだけど、当時やむを得ない状況で、支払いが遅れてしまったのです!本当は、とってもしっかりした人で、こんな会社に勤めていて収入もこれくらいあって、ほら、貯金もこんなにあるんだよ!だからお願い!特別にお金貸して!』

ということを訴えかけるのです。その材料をしっかり集めることが大切です。

「異動」があってもローンが通った背景

マンション営業マン、銀行の担当者の腕にかかっているところはとても大きいです。(というと、すごく手前味噌ですが汗)

そもそも、マンションの営業マンも、銀行の担当者も、次の動機があって動いています。

・マンション営業マン

「なんとか住宅ローンを通して、マンションを契約してもらいたい」

・銀行担当者

「せっかくのお客さん、ウチの銀行でローンを組んでもらいたい」

マンション営業マンの動機は分かりやすいと思いますが、実は銀行も、今は住宅ローンの顧客獲得はなかなか激戦なのです。実際の例として、過去住宅ローンを扱っていた三菱UFJ信託は撤退、みずほ銀行は東北エリアで撤退をしているくらい、住宅ローンは金利が低いため薄利で、金融機関も多いことから競争が厳しくなっているのです。

話を戻します。営業マン、銀行の担当者の腕にかかっている、という訳は、次の通りです。

・マンション営業マン

ローンが通りそうかどうか各金融機関にヒアリングする行動力とヒアリング力があり、普段から銀行担当者と良好な関係が築けているか。知識や担当者とのコネクションが強い営業マンは強い!

・銀行担当者

先述の「作文」が得意で、決裁権をもつ上席にどれくらいプッシュしてくれるか。

このような感じです。私の場合は、基本的に提携してる金融機関で、信頼できる担当者がいる金融機関に片っぱしから電話で相談していました。両役者のうちどちらが欠けてもいけません。これに関してはもう運次第とも言えます。

また、これは銀行の稟議を「人」が行なっていることが重要です。ネット銀行で、AIなどを用いて機械的に判定をしている銀行では、残念ながら通用しないでしょう。

あなたがやるべきこと

お客さんの立場としては、何より「このマンション(このお部屋)を買いたいので、なんとか住宅ローンを通してください!」という熱意を見せることが大切です。必要な書類は面倒くさがらずに全部揃えること。異動が付いた背景などは、包み隠さず話すこと。

そして住宅ローンの事前審査が通ったら、速やかにマンションを契約して、住宅ローンの「本申込」へ進んでください。なぜかというと、事前審査から本申込の間に本人の状況や銀行の審査基準が少しでも変わると、事前審査の結果が覆る恐れが僅かながらあるためです。

(注)住宅ローン(フラット35除く)には基本的に「事前審査」と「本審査」があります。

それができるように、事前のマンション(お部屋)選びはしっかり、効率的に済ませておきましょう。あくまで住宅ローンの事前審査は、マンションを買うことを前提にするものですからね。

マンション営業マンは、「住宅ローンの審査を通したら契約してもらえる」、銀行の担当者も「審査を通したらウチでローンを組んでもらえる」と信じて、全力で仕事をします。

それで審査が通ったからといって「な〜んだ。ローン通るじゃん。いっぱい他のマンションも見てみよう〜」みたいなことをやってしまうのはあまり良くない行為だと思います。

これをやってしまうと、マンション営業マンは「なんだよせっかく頑張ったのに。やっぱりローンが面倒な人はやるだけ無駄だな」と失望。

銀行担当者は「なんだよ、せっかく上席に掛け合って承認を取り付けたのに。これでは上席に申し訳が立たない。マンションの営業マンも、通るかどうか知りたいがためにあんなこと言って審査を依頼してきたんじゃないのか?次はもうないぞ」となってしまい、マンション営業と銀行担当者との関係にも亀裂が入ってしまうのです。

ちなみに、住宅ローンの承認結果通知の書面には「承認はこの物件、この住戸に限ります」という文言も入っていますから、必ずしもどの物件でも承認になるとは限りませんよ。もちろん銀行側にもお客さんの情報は残っていますしね。

最後に

以上、「異動」があっても、優秀な「営業マン」「銀行担当者」の役者が揃って上手な「作文」ができれば、わずかでも住宅ローンが通るかもしれない、という記事でした。

あくまで私の経験談ですので、そこはご了承ください。お気に召すマンションと出会えた方は、ぜひ参考にしてみてください。

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